2008/12/31

先が見えないという不安


最近の経済の話ではありません.

この写真は某国で山歩きをしていたときのものです.
私はヒュッテで昼食を取るべく歩いていました.そのヒュッテには行ったことがありませんが,山岳地図で場所も確認し,方角も分かっていました.

しかし…行けども行けども着かないのです.目を凝らしてみてもヒュッテが見えません.帰りのロープウェーの最終便を逃すと1000m以上の高低差を自力で降りなければならないので,やはり途中で戻るべきかと,大いに不安を覚えました.

結論から言うと,この写真を撮ってから(つまりまだ心に余裕があった時刻から)1時間もせずに目的のヒュッテにたどり着きました.帰りは,GPSで記録した行きの道筋を逆にたどれば確実に戻れます.足は帰りが疲れていましたが,精神的には比較にならないほど帰りの方が楽でした.

先端医療機器の治験や薬事申請を経験した人は,この「先の見えないという不安」を口にします.つまり,「何を」「どこまで」やれば,有効性・安全性を示すのに必要十分なエビデンスとなるかが分からない,ということです.これが分からないと,事業化までにどれくらいのリソース(人,カネ,時間)が必要か判断が付かない,すなわち,その機器への投資効果が分からず事業化の可否が判断できない,ということになります.
電気的安全性や生物学的安全性については何をすべきか分かっていますが,それ以外はどうでしょうか.承認実績が多い医療機器は承認(認証)基準がありますが,前例無き先端医療機器には,そんなものありません.

また「先の見えないという不安」は,実は審査側(PMDA)にもあるのではないかと思います.今までに見たことの無いような機器が申請されて,さてこれをどう審査しよう,承認前例はない,起こりうるリスクの見当が付かない,専門委員に聞くにしても一体誰に…などなど.その結果審査時間がなかなか短縮できない,のかもしれません.想像ですが.

一部で審査行政の再々編の話も進んでいますが,それはそれとして,来年はもっと医療現場・業界・行政の風通しがよくなり,先の見えない不安が少しでも解消されればと思います.

今年は私的にいろいろ変化がありなかなか投稿できませんでした(;´_`;)
どうか良いお年をお迎え下さい.

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