2008/06/30

医療機器開発ガイドラインの公表

経済産業省ホームページ「医療機器開発ガイドライン策定事業

H19年度分のガイドラインが公表されました.
4.および5.の共通部分が3.になっています.
3.ナビゲーション医療分野共通部分
4.骨折整復支援システム
5.脳腫瘍焼灼レーザスキャンシステム
6.次世代(高機能)人工股関節
7ハイブリッド型人工骨・骨補填材
8.ヒト細胞培養加工装置の設計ガイドライン

コメント:「ガイドライン事業」の目的は,次世代の医療機器を「速く開発し」(経済産業省担当),「円滑に薬事審査する」(厚生労働省)ことで,患者さんに早く使ってもらうことです.いわゆるデバイスラグ(海外の医療機器の承認が遅い)とは,別の問題です.
相方である厚生労働省の「次世代医療機器評価指標検討会」のワーキンググループの活動報告は
こちら(国立医薬品食品衛生研究所)です.対応づけてお読みになることをお勧めします.

2008/06/23

日本コンピュータ外科学会誌 Vol.10 No.1

いや~5月は記事が書けませんでした.とほほ・・・

CAS学会誌の最新号が配達されましたのでご紹介します.
今号は,Vol.9 No.4との合併号になっています.

会告

・次回学会大会(10月31日~11月2日,東京女子医大)の案内と,合併号に関するお知らせが掲載されています.

特集

・コンピュータ外科分野において,ここ1年で大きな制度上の動きがありましたので,その最新情報を掲載しています.
1)まず女子医大の伊関先生が,自らの医師主導治験の経験,苦労話を書いています.医療機器開発を阻む三つの不安「怖い」「遅い」「(先が)見えない」は,名言だと思います.
2)次に産総研の鎮西先生が,ごく最近案が提示された「高度医療評価制度」の速報を書いています.この制度の大きなポイントは,『国内で試作された(薬事)未承認の医療機器を医療機関に提供すること』ができるようになる点です.今までは試作品を医師に渡したらダメだったのですねぇ.
3)最後に,化学技術戦略推進機構の日吉先生が,PL法と医療機器の関係について日米比較をなさっています.日本企業が医療機器メーカに原材料を供給したがらないのが,本当にPL法が原因なのか,本音は風評が怖いからではないか,ということです.

原著論文

以下の原著論文が掲載されています.
1)中島ら「脳腫瘍除去用Er:YAG レーザ手術システムの開発」
2)井上ら「顕微鏡下手術に適用可能な脳有限要素モデルの開発」
3)藤原ら「連動表示インタフェースの手術アプローチ検討支援に対する有用性評価 ~Synchronous Editable Interface(SEI)~」
4)仲本ら「治療計画と複数ナビゲーションの統合によるMRI 誘導下穿刺術の精度向上」

その他

・昨年実施したナビゲーション医療のアンケートについて,耳鼻咽喉科・整形外科・脳神経外科の各科のデータとその講評が掲載されています.手術ナビゲーション機器のユーザの生の声が聞けます.また,ナビゲーション医療は今年から保健点数の加算(「画像等手術支援加算」)が実施されることになり,その一覧表もついています.
・シンガポールで行われたアジアCASの報告が,闇夜のマーライオンの写真付きで掲載されています.

2008/04/30

なんくるないさ

沖縄土産でいただきました.
「なんとかなるさ」という意味ですが,標準語の「なんとかなるさ」よりも前向きな響きがありますね.
4月になって仕事や家庭の環境が変わった方,「なんくるないさぁ」,ですよ.

さて,年度が替わって変化した大きなことといえば,後期高齢者医療制度だけではありません.
医政経発第1110001号「医療機関等における医療機器の立ち会いに関する基準」
(PDFファイル)
が4月1日付で実施されました.これは,納入した医療機器を使用する際に,現場に業者が立ち会える回数を制限しようというものです.業界によって,学会によっても意見が分かれたこの基準ですが,手元の資料を発掘次第(^^);コンピュータ外科との関連について書こうと思います.

2008/03/15

早大と東京女子医大,先端生命医科学センターを共同設立

読売新聞の報道(http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080315-OYT1T00369.htm)

ところで,2008年3月19日に,東京女子医科大学・早稲田大学 ジョイントシンポジウム「医・理・工融合研究の新しい連携のかたち」が東京女子医科大学で行われます.

コンピュータ外科学会大会日程など

いろいろと忙しくなってきました.

・下記のカレンダーにもあるように,次回のCAS学会は10月31日~11月2日に,東京の東京女子医科大学にて開催されます.ホームページはこちら
・SMIT(8月28日~30日,ウィーン)の演題〆切が3月末日に延長されています.ホームページはこちら
CARSの採択率が昔と違って非常に厳しくなっているようです(半分以下).そんな学会でしたっけ?

2008/02/26

ACCAS: Deadline Extended to March 21

ACCAS 2008

2008/02/16

術中MRIに関する報道

次の二つの記事を両方お読みください.あなたはどちらの文章を信頼しますか?

1)国立がんセンター手術室、磁気で手元狂う恐れあり“引退”(2008年2月15日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080214-OYT1T00787.htm

2)上記の報道内容に関する東京女子医科大学の見解 (同日,東京女子医大FATSホームページ)
http://www.twmu.ac.jp/LAB/FATS/intelli-op.html
※注:がんセンターの見解ではありません

術中MRI=手術中にMRIで患者さんの体内を観察することです.今まででは手術の前後にしかMRIを撮影できなかったので,癌の取り残しが手術後に見つかるということもあったのですが,術中MRIによりがんを取りこぼすことなく正確に手術をすることが可能になります.

さて,1)読売新聞の記事は,率直に言って読むに堪えない文章です.情報ソースがあやふやだし.学生のレポートなら私は突っ返します.
磁性体が磁石で引っ張られることや,あまりに狭い空間に人間が入れないことは,小学生でも分かります.それをMRIの導入前に医師が理解していなかったなどということはいくら何でもありえません.MRIで使える手術器具(専門用語ではMR対応性)や,手術ワークスペースの確保,術中MRIに適した手術方法の吟味は基本中の基本で,がんセンターでこのMRXの仕事に携わっている先生方は当然にしてご存じです.
それでもこのような記事が出てしまった背景には次のどれかがあるのではないかと想像しています.本当のところは知りませんけどね.
・がんセンターがマスコミ対応を誤った
・記者が,MRXの当事者では「ない」人に取材をした(この記事が出ると得をするだれか)
・実は芸能記者だった

術中MRIを研究・実施している他の人にとってみれば,こんなひどい記事は迷惑千万です.早速見解を示したのが東京女子医大の2)の文章です.要約すれば,女子医大の術中MRIでは,
・磁場対策は当然実施している
・術中MRIのための手術方法の工夫(人も施設も)を進めている
・現在まで600例実施したが磁場の問題は無い
・術中MRIは患者さんへのメリットも大きい
と,いうことです.

#うーむこの記事は「バカ話」だな.